お遍路

歩きdeお遍路 3日目【第12番札所】

soueeeei

2023年6月8日(木) 天気【曇りのち雨】

4時台に起きる。眠気が強い、再び目を閉じた。やべっ!暫く寝てしまったようだ。急いでスマホで時間を確認する。デジタル時計は5:16を表示していた。心配が安堵に変わる。今日は昼頃から雨の予定だ。急がなくては。前日から決めていた朝のミッションを達成する為に取り敢えず宿から一時的に出た。そして宿から借りた自転車を漕ぎ出した。

まずは向かったのはすき家である。宿から近くて24時間営業している飲食店がここしかなかったからだ。そして半強制的な選択だったとはいえ、朝食としては理想系だ。こういった旅の時ぐらいしか行かないため、いつもの決まったメニューというのはない。取り敢えず、量が多くて栄養バランスに優れていそうなものを適当に選んだ。

牛まぜのっけ定食(大盛) 420円

早い!安い!美味い!こんな店がチェーン店として全国に存在するだけで、日本に生まれた価値があると思う。言い過ぎか。

食べながら、昨日忘れたツイートをする。行儀が悪いのは分かっている。ただ日中は歩いている最中は周りに気を配りたいし、休憩中なんかは疲れてスマホなんて触る気力が起きない。

とは言っても大してツイートなんてしない訳で、日課は直ぐに終わった。スマホをスリープ状態に入れ、飯を掻き込んだ。いざ次のミッションへ向かう。

ミッションといっても大層なものではない。ただ、すき家の向かいにあるコンビニでハッピーターンを買いたかっただけだ。お菓子を頂いた、台湾の人へのお返し用である。結願して再々度、お会いしなかった場合は、第一札所の霊山寺の受付の人に託そうかな、いや迷惑か。そんな事を考えながら、宿まで自転車を走らせた。

宿に戻ると6時を過ぎていた。宿から飛び出すように出たので、部屋は汚いままである。部屋を急いで整理し、最後にお手洗いに行った。

スリッパからトイレ用のサンダルに履き替え、用を足した。よしこれで後は出発するだけ!部屋に荷物を取りに行こうとすると、何故かスリッパが無くなっていた。

???どういうこと?確か自分がトイレに行ってる間に、来て戻った人がいたが…。スリッパ窃盗犯の行動はこうだ!恐らく、その人はスリッパを履かずにトイレに来てサンダルを履き、用を足した後に私のスリッパを履いて部屋に戻ったのではないか…?

まあ自分のモノが盗まれた訳ではない。荷物をまとめ、スリッパの件は宿のご主人に伝えた。さあ、山を越えに行こう。

泊らせて頂いた『旅館 吉野』自転車を貸して頂けて本当に助かった。

宿から500mほど歩き藤井寺に着く。本来であれば7時まで待たないと納経所は開かないのだが、前日に済ませていた為、そのまま山に登ることが出来た。

焼山寺まで12.9km。加えて山道である。
入り口の看板。健脚5時間、平均6時間、弱足8時間。

トイレも宿で済ませて来たし準備は万端。いざ入山!階段を登っていくと第一版札所、霊山寺と彫られた石の祠とお地蔵さんがあった。

第二、第三とその祠は続いていく。

1分くらい進んだ先で早速、道が分岐していた。

写真では分かりにくいが、左側にも道が続いている。

間違えると第三十八番札所まで行ってしまうようだ。すごろくではラッキーかもしれないが、お遍路の旅ではありがた迷惑もいいとこである。

ここで初めて3300円で購入した黄色い地図を取り出した。なんだかんだここまで迷いはしなかったし、最悪Googleマップでどうにかなっていた。今回ばかりは相手が悪い。Googleマップでは徒歩のみが進める道は網羅していない。

うーん。焼山寺までの道を地図で確認したが、こんな入って直ぐの場所に分岐なんて無かった。困ったな…前日のおじいさんのアドバイスを思い出す。『山っぽい道を普通に進んでいれば迷わないよ。』

普通に行くならどう考えても右側の道だ、なんか看板も心なしか左側の道を指しているような気がするし。ということで右側の道を選んだ。

暫く進んで正解のルートだと確信できた。なぜならば、お地蔵さんの石の祠が続いていたからだ。加えて、よく考えれば山を越えようとしているのだから、まずは上に登っていくのが普通である。

普通の人が迷わないような2択で迷ってしまったな…少し木を落としながらも進む。石の祠が続いた先に噂の登り道があった。

へんろころがし。1/6ということは6箇所もあるのか…

名前の由来はお遍路さんが転がり落ちるくらいの急な道だかららしい。気合を入れて進む。

きつぅい!めっちゃきつい。途中で立ち止まりながら進んだ。

へんろころがしの段差からキノコ。かわいい。

キノコにほっこりしながらも漸く登り終えたようで段差が無くなった。道幅が広くなり、さらに進むとベンチの置いてある車道に出た。

ちょうど、おじいさんがベンチに座っていたので挨拶をすると道を教えてくれた。向かってみると車道の脇に焼山寺と書かれた矢印看板があった。

昨日聞いた横切る車道は無視していいというのは本当らしい。その入り口からさらに登っていった。

登山から20分経過、進んだ距離0.7km。

気持ち的にはもっと進んでいたつもりでいたが、実際はそこまで進んでいなかった。でも確実に距離は縮まっている。そう思うと気力が湧いた。

さらに進むとその先で、昨晩食堂でご一緒した神奈川ダンディ、茨城ダンディとそれぞれ出会った。お互い励まし合い各々のペースで登っていく。

進んだ先には手作り感溢れる匠のベンチが。

今日は昨日の反省を活かして、休憩場所は全て利用すると決めていた。歩いている時は疲労を感じていなくとも、休んでみると疲れが溜まっているのが分かった。大きな収穫だ。休みながら進んでいく。するとこんなスポットを発見した。

水大師。綺麗で透き通った水が湧き出ている。

ペットボトルに注いでいこうか迷った。まだまだ序盤だったのに、水は1本目が1/3ぐらいまで減っていたからだ。念のため正露丸は持ってきているが…

少し迷ったが水を頂くのは止めることにした。仮に飲める水だったとしても、まだ序盤も序盤。リスクを冒すのは得策ではない。迷いを振り切って前に進む。

長戸庵。初めてチェックポイントに着いた。

かなりの達成感だ。焼山寺まで残り9.5kmという石柱が立っている。登山口から12.9kmだから、えっーと…1時間12分で3.4km。いい調子だ。せっかくなので少し長めに休憩し次に向かった。

開けた場所に休憩所。腰を下ろし景色を眺める。

昨日から登って途中で休むと言っていた、おじいさんはここで休んだのだろうか。そんなことを考えながら景色を堪能していると、登山口側から人の気配がした。

人がみるみるうちに迫ってくる。若めの男性だ。歩きではない。なんと走っているのだ。以前に高尾山から陣馬山まで縦断したのだが、同じような人を見かけた。トレイルランニングというらしい。

すごいですね…!と感嘆の声をかけると、殆ど歩いていますよ!と言いながら颯爽と駆け抜けて行った。恐らく嘘である。

あっという間に見えなくなってしまった。

負けてられないな…!後を追うように休憩所を後にした。

暫く進むと大きな壁が立ち塞がった。

へんろころがしvol.2

きついきつい!これを登り切っても、あと4つもあるなんて…!登っている最中、空気の流れが変わり、少し冷たくなった。もうタイムリミットが迫っているのか?どうにか雨が降らないうちに山を越えたい。

あまりのキツさに立ち止まりつつも、なんとか登りきった。登り切って少し進むと…

ベンチと一緒に距離看板があった。

写真の時間が8:36、1時間44分で4.6kmを進んだ。次の柳水庵までは35分。頑張ろう。ここでも今日のルーティン通りベンチで休み、先に進んだ。

柳水庵までの道中、細い道を通っていた時のこと。滑り落ちたら戻れんだろうな…と思いながら横を見ていると…

杖で届きそうな位置に飲み物が落ちている。

飲もうと思った訳ではないが、どうにか拾えないかと杖を使って手繰り寄せてみる。

ペットボトルホルダーは金剛杖に引っ掛けて拾うことが出来た。

しかしスポーツドリンクの方は、さらに深くへと落ちてしまった。このままだとゴミになってしまうし、拾っておきたかった。しかし無理に取りに行くと、お仲間になるのが想像に難くなかったので諦めた。

ペットボトルホルダーは近くの枝に引っ掛けておくことにした。誰かの役に立つかもしれない。そうなる事を信じて、この場所を後にした。

柳水庵。コロナ前で賑わっていたころは泊まれたのだろうか。

柳水庵に到着した。両足の親指の人差し指側が痛むので靴下を脱いで確認してみる。少し赤みがある程度で出血などはしていなかった。

この程度でこの痛みなのだからマメができたら歩き遍路はかなり厳しいものになるだろうな。先行きが不安になった。

ここで恒例のタイムチェック。

柳水庵、撮影時刻9:13。登山開始から2時間23分、歩いた距離6.6km。

ようやく折り返し地点を越えたくらいか。トイレがあったので、ありがたくお借りする。看板よると、どうやら100m先に休憩所があるらしい。

ここのベンチで休んだので、全くありがたみを感じなかった。…が、実際に見てみると驚くことになる。

普通に住めそうなレベル。

ご丁寧に布団や座布団まで用意してあるし、天気のいいには外で衣類を干せそうだ。

まどには張り紙が貼ってあり、基本は宿泊禁止とのこと。但し、足を痛めたり体調の悪い人のみ一泊できるらしい。まあ実質的に1日だけなら宿泊できるってことですな。

中では休まなかったものの、縁側でゆっくりと腰を落ち着けた。…いかんいかん、早くしないと雨が降る。重い腰を上げた。

進んでいるのと、どこからかプシューという音が聞こえた。耳を頼りにその近くまで寄っていく。すると雨はまだ降っていないのに濡れている場所がある。よく見てみると何故か水が吹き出していた。

なるほど、あれには水が通っていたのか。

いたるところで見かけた黒いチューブ。一部から水が噴き出ている。

水の発生元を調べると黒いチューブが顔を覗かせた。軽く調べてみたが水を撒いている理由は分からず。というか何らかの理由でチューブに穴が空き、水が噴き出ている…という可能性も考えられる。

少しは気分転換になっただろうか。名探偵ごっこに興じた後、歩みを進める。

何分間歩いただろうか、再び奴と合間見える。

へんろころがし 4/6

…ん?お分かり頂けただろうか。

そう、いつの間にか3番目のへんろころがしを通り過ぎていたのだ。本当に気づかなかった。特にキツい道もなかったしな〜。

意外とへんろころがしの全てがきつい訳じゃないのかもしれない。もしくは自分が山登りに慣れたのか?今回は余裕かもしれない。

キツかった。普通にキツい。立ち止まって息を整える。進む。立ち止まる。進む。何度それを繰り返しただろうか。

今までで一番綺麗な階段が現れた。

正面の石像。遠近法で小さく見えるが、実際は3mくらいある。

どうやら次のチェックポイントに到着したようである。名前は一本杉庵、名前の由来は直ぐに分からされた。

石像に目が行って最初は気づかなかった。

石像が背にしていたのは杉の大木だったのだ。あまりに異質だったので、暫く魅入っていた。

と、ここで恒例のタイムチェック。

撮影時刻10:09。経過時間3時間19分、歩行距離8.5km。

大体2/3を歩き切ったようだ。さらに先に進んでいく。だがここからがキツかった。

ここから暫く下り坂が続いた。

下り坂は楽だろうと考えていたがそうではないことが改めて分かった。たしかに息は上がらないが、膝をクッションとして使うため膝に大きな負担がかかるのだ。

膝の疲労と闘っていると、休憩所で休んでいる時駆け抜けって行った若い男性が下から登ってきた。勿論勢いよくダッシュで。

もう復路に入っているようである。思わず感嘆の声を漏らしてしまった。お互い励まし合い別々の方向に進んだ。

暫くすると分岐点に出たので、ここで昼食を食べることした。

おめでたい時に食うヤツ

個人的に好きなのでお祝い事以外で普通に選んで買ったりする。モチモチの食感がたまらない。

結構疲労が溜まっていたが、空腹が満たされると力が湧いてきた。

分岐を間違えないようにして、さらに進んだ。

そして更なる下り道が襲う。

あまりの急な下り道に、何度か足を滑らせて尻餅をついてしまった。ここら辺から水の流れる音が聞こえ始めた。何となく、そろそろ終わりが来るような気がしていた。

山を抜けた。眼下には民家が見える。
残り2.0kmと書いてある。撮影時間10:57。経過時間3時間7分、距離10.9km。

看板が指し示す方向に進んでいくと、さらに水の流れる音が強くなってきた。

川の上の橋に出た。

それにしても、ここら辺の水は澄んでいて綺麗だ。水深が深くなると透明さはそのままにエメラルドグリーンの色が濃くなる。

今にでも川に飛び込んで、水浴びをしたい気持ちを抑える。橋を渡って川沿いを歩いていると、川からは離れて再び山の中に入っていく。

最後のへんろころがし

ついに、こやつとも最後か。5番目も3番目同様いつの間にか越えていたようだ。ちょうど親しみを感じ始めたぐらいだったが、最後の試練とばかりに牙を剥いた。

計3箇所に補助用のロープが設けられていた。

杖やロープ、そして身体全体を使って登りきる。あともう少しと思えば、気力が湧いてくる。暫くすると、上の方にお遍路さんが見えた。

近くまで行き挨拶をする。昨日色々教えてくれた、おじいさんだ。すごい、この年で自分より重い荷物を持ってここまで来ているのだ。

早いね〜。そう言ってくれた。だが逆に自分はおじいさんの方が早いと思った。ここまで追い付かれずに、登ってきていたからだ。

積もる話もあったが3分ほど話した後、先に進む旨を伝えた。おじいさんは此処で休憩しつつ、ゆっくり進むとのこと。

残り1km
明らかに雰囲気が変わる。残り464m
指が指す階段の上には…!
第十二番札所、焼山寺。記録5時間7分。
その後14km歩き旅館に。

4時間書いてて終わらなそうだったので、最後やけくそになりました。

ABOUT ME
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脳みそメロンパン
25歳。3年ほど前にバイクで日本を一周したりしていました。
社会の荒波に揉まれ流され漂っております。会社からのお慈悲を頂き休職、遍路の旅に出る。
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